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2009-12-28
「ただ一人の男」Track 04听写 - [听碟报告]
Track 04
如月:じゃ、行って来る。
尾崎:今日は休んだほうがいいんじゃないのか。
如月:どうして?
尾崎:俺が無茶したから、まだ痛むだろう。
如月:よくそういうことを平気な顔で言えるな。
尾崎:心配してるんだ。しばらくまっすぐ帰ってこいよ。
如月:なんで俺がお前に指図されなきゃいけないんだ。
尾崎:いろいろと面倒があるからだ。
如月:その面倒の説明はしないなら。
尾崎:してほしいのか?
如月:どうでもいい。
尾崎:如月。
如月:放せよ、遅刻する。
尾崎:まっすぐ帰ると約束しろ。そうでないと……
如月:お前が迷惑だと言うんだろう?篠塚から少し聞いた、ちゃんと戻るよ。それでいいんだろう。ふっ、ほら、話せ。
尾崎:迷惑か……如月、お前、ここを出るか?
如月:なに?
尾崎:新しい部屋……
如月:でがげにものを言うな、話があるなら、戻ってからにしろ。
尾崎:真面目な話だ。
如月:真面目な話なら、余計後にしろ。
尾崎:待って、如月。
如月:(揉め事が起きたから、俺を遠ざけるのか。いつか部屋を出ることになるかもとは思っていた。だが、今じゃなくたって、いいじゃないか。心は戻り、お前を好きになって、お前に抱かれてしまった、今じゃなくて)男1:如月さん?
如月:なに?
男1:あんた、如月巳波さんだね?一緒に来てくださいよ。
如月:断ったら?
男1:あんまりいい結果にはならないぜ。
如月:分かった。
男1:そこの角に泊まってる車に乗るな。
如月:あっ!
男1:噂だけがと思ったが、本当だったんだな。
男2:尾崎のがきは男も女も行けるらしいですからね。
男1:どうした、怖くて口も聞けないか。それとも、さすが尾崎の囲われものってことか?
如月:残念だが、俺は尾崎の囲われものじゃねえぜ。どうしてこんなところに連れてきた?
男3:お前は度胸が据わってるなあ。普通、堅気の人間が縛られて、俺たちに囲われたら、半狂乱になるもんだぜ。
如月:怖くはないね。
男1:ふっふっふっ、いつまでその虚勢が続くか見ものだなあ。お前、ここがどこだか分かってんのか?
如月:尾崎がお前たち高田と揉めた工場だろう。
男1:そうだ、そして、ここは今あいつの持ち物だ。
如月:カメラ?うっ!むっ!何を?……
男1:このビデオカメラで、お前さんのいい姿を撮りたいのさ。連中もまさか自分たちの持ち物の中でそんなことをされるとは思わない。
男2:撮ったこいつを尾崎に送りつける。あいつがお前とここを引きかえりにしてくれるといいな。
如月:しないんじゃないか?言ったろ、俺はあいつの恋人でも何でもないんだから。
男3:だったら、あいつを恨め。お前さんと尾崎ができていようがいまいが、一緒に暮らそうとには身内なんだ。尾崎って野郎は身内には優しいらしいじゃないか。
男1:どんなに庇っても俺たちはちゃんと調べてからこうしてんだ。諦めな。
男3:おい、そろそろやれ。こっちの顔は映すなよ。
男2:はい。
男1:最初はソフトにしてやれよ。物事には順序ってもんがあるからな。
如月:むっ……あっ……(何も感じない、こいつらは尾崎じゃないから、人形でしかない。人形に何を見られようが平気だ。だけど、出来上がった映像が尾崎のもとに届いたら、彼は苦しむだろうか。それは胸が痛い)如月:(強盗事件の後カウンセラーが言っていた)
カウンセラー:(巳波くんはお父様とお母様がなくなって悲しいなあって思ったの、だから心を閉ざしてしまったのよ。その扉を開けてこちら側に出て来なさい)
如月:(それは違う。暗闇に横たわる両親は俺がどんなに悲しんでも、怖がっても、二度と動かなかった。だから、諦めるしかなかった。でも、尾崎は戻ってきたから)
尾崎:(大丈夫だ)
如月:(彼になら、いろんなことをしても無駄には終わらないんじゃないかって期待するんだ。だから、俺にとって尾崎は特別なんだ)男1:目開けろ!
男2:強情な野郎だな、叫び声一つ上げないで。
如月:もう撮影終わりか。
男3:いい絵が取れないんで、まだだ。弄られるぐらいじゃへこまないみたいなんだよな。ほかの男に抱かせようと思ってね。
如月:もう腹いっぱいだ。
男1:可愛げのねえがきだ。
男2:今度はどうかな?
如月:むっ……むっ……あっ……あっ……
男1:やっぱりくわいたほうがいいのかねー。
如月:むっ……警察1:動くな!誘拐地所の現行犯で逮捕する!
警察2:全員大人しく部屋の隅に並べ!
尾崎:如月!
如月:尾崎……警察1:尾崎、止めなさい!尾崎!
尾崎:如月!大丈夫だ、もう大丈夫だ。
如月:尾崎……(俺を助けに来てくれた)
尾崎:可哀そうに、こんな酷い目に遭わされて……
如月:(あっ、可哀そう?あ、そうか)
尾崎:こいつを病院に連れて行きたいんだが……
警察1:ああ、いいぞ。後は私たちがやる、よく単独で乗り込まず相談してくれた。
尾崎:終わりにするには、こうするしかなかったからだ。そうでなければ……
警察1:その先は言うな!
尾崎:これでやつらを打ち込めなかったら、あんたの聞きたくないすりほうを実行するぜ。行こう、如月。
如月:(尾崎が俺を助けに来てくれたのも、抱きしめてくれるのも、俺だからじゃない。酷い目に遭わされた被害者をあわれんてるだけなんだ。可哀そうだからなんだ)如月:(俺を攫ったと尾崎に知らせたのは高田たちのほうだった。手下のあとをつけた篠塚によって、俺の居場所は発見されたらしい。事件の後、俺は病院に運び込まれたが、すぐに退院することができた)尾崎。
尾崎:むっ?
如月:暖めてくれ。
尾崎:如月……
如月:あの夢を見た。
尾崎:こい。
如月:尾崎……
尾崎:如月……
如月:寒いんだ。
尾崎:大丈夫だ、お前はここにいるし、俺もここにいる。こうしてると世界で二人きりしかいないみたいだなあ。
如月:(もし、そうだったとしたら、どんなにいいだろう)
尾崎:今夜はここで寝ていけ。
如月:いいよ、暖まったら戻る。
尾崎:いいから、寝ていけ。もう、お前に欲情したりなんかしないから。
如月:そう……だな。暖まるまでに眠くなったら、そうするよ。(俺に優しくするのは、可哀そうだからで、俺を抱いたのはセックスがしたかったから、誰でもよかったんだ。そのことに気づいた以上、尾崎のそばにいることはできない)End of Track 04
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2009-12-17
「ただ一人の男」Track 03听写 - [听碟报告]
Track 03
如月:(尾崎が刺されたあの日から夢を見なくなった、もともと頻繁に見るものではなかったけど、あの夢を見れば尾崎は飛んできて、暖めてくれるのに)はい。
尾崎:如月!
如月:尾崎?泥だらけじゃないか、まさかまた?
尾崎:大丈夫だ、悪いがまず入れてくれ。
如月:え!ああ、悪かった、入れよ。怪我してるのか。
尾崎:あ、切られちゃいないが、背中にあざができただけ見てくれ。
如月:(尾崎の体……)何されたんだ。
尾崎:ちょっと雑魚を相手にしただけさ。今頃病院で後悔してるだろう。どうだ、跡を残ってるか。
如月:赤くなってるが、それほどじゃないな。
尾崎:どこ?
如月:ここだ。(暖かい肌の感触)冷やしたほうがいいんじゃないか。
尾崎:それほどじゃないさ。
如月:狙われたんじゃないのか。
尾崎:大丈夫。ただのチンピラだ。
如月:尾崎……(怖い……)
尾崎:にげんなよ、つれないな。
如月:放せ。
尾崎:ちょっとぐらいいいじゃないか。
如月:放せよ!(彼の温もりは俺を変えるのが怖い)
尾崎:少しは怪我人に優しく……なんだ、ひょっとしてお前きてんのか。立ってるぜ、もしかして俺に……
如月:そんなわけないだろう。いまさらお前に何を感じるって言うんだ。一人だったから、ちょっとAV見てただけだよ。
尾崎:AV……
如月:あ、そうだよ。
尾崎:AVね……
如月:もういいだろう。
尾崎:恥ずかしがるなよ。男だったら、誰でもあることだ。むしろ淡白のお前にこうして性欲があると思うとほっとする。
如月:あっ……何を?
尾崎:辛いんじゃないのか?こんなになってる。
如月:止せ!……尾崎……(尾崎が帰ってきたあの日から、彼を好きという気持ちが溢れていた)
尾崎:誘われてるみたいだ。
如月:そんなわけないだろう。触るな!
尾崎:いいじゃないか。立ってる時は手伝ってやるって。
如月:むっ……あっ……
尾崎:大丈夫だ。男とするのは初めてでも、ここまできてりゃ、誰でもその気になる。
如月:止めろ!……むっ……(こうして感じている欲望も抗えないほど大きい波だ)……あっ?!……あっ……
尾崎:お前、いい顔するなあ。エロいぜ。
如月:尾崎……止せ……
尾崎:いい声。
如月:止めろ……あっ……あっ……
尾崎:火が付いた。
如月:尾崎?
尾崎:童貞じゃないんなら、一度ぐらいさせろよ。もう我慢できない。
如月:馬鹿!男相手に……
尾崎:こっちもこの状態なんだ。お互い様ってことで、手伝ってくれよ。
如月:……あっ……尾、尾崎……
尾崎:痛くはしない、できるだけな。
如月:……むん……
尾崎:本当は前からやりたかったんだが、後ろからのほうが、入れやすいからな。
如月:い……い、や……止せ!……
尾崎:暴れるな!
如月:……むん……あっ……
尾崎:もう少し腰を上げろ!
如月:……あっ……あっ……
尾崎:如月……
如月:あっ…………むん……あっ……や、やめ……尾崎……
尾崎:俺とするのは気持ちいいだろう。
如月:……い、や……
尾崎:力抜いてろ!
……如月:ここは尾崎の部屋、尾崎は、出かけたのか。(本当は彼を人として意識する前から、俺は尾崎が好きだったのかもしれない。ただ、その時はがらすごしだった思いは彼が帰ってきたことによってリアルになってしまった)よりによって、あんな男に心を動かされるんなんて……はっはっ……(尾崎はセックスをしても本気になることはない、好きだと言おうものなら、ここを叩き出されてしまうだろう。それで関係が消えてしまうなら、辛くともそばにいたい。その為には……)尾崎!
尾崎:如月、起きたか?大丈夫か。
如月:大丈夫じゃない。
尾崎:あっ……
如月:あんなにひどいのはもう御免だ。初心者にあれじゃ強姦まがりだぞ。
尾崎:すまん。
如月:そこにいろ、今起きるから。
尾崎:起きて平気か?
如月:腹が減ってるんだ。
尾崎:持ってきてやる、それと、花だ。
如月:花?
尾崎:見舞いには花だろう。
如月:男の俺に花を渡してどうする?
尾崎:ほかに何も考え付かなかったんだ。
如月:はっはっはっはっ……(忘れよう、あれは悪い偶然で、これからはまた元のように同居人として穏やかな生活を送ろう。もうこの心は動かしてはいけない)篠塚:よう、如月。
如月:繁盛してるな。
篠塚:まあ、ぼちぼちだよ。それより、体、大丈夫か。
如月:あっ、あ。
篠塚:すまねいな。あの時はお前さんがそういう過去があるって知らなくて、怒鳴り散らして……
如月:いいよ、正直覚えてないし、あんまり言われるほうが好きじゃない。
篠塚:そうか……若さんにもお前に何も言うなと言われてたんだけどさ。
如月:尾崎に?
篠塚:内緒なんだろう、でもまあ、それであの人はお前さんを大切にしてる理由も分かったんだけど……
如月:(俺を大切にする理由……)
篠塚:そんな顔すんなよ。んなわで邪推して悪かったな。
如月:いや、邪推してたのか。
篠塚:それはまあな。突然堅気の男と暮らすなんて何かがあるとしか思えなかったんだ。
如月:何か……ね。
篠塚:分かってると思うが、まだ高田の連中はおとなしくなってない、一人でうろうろすんのは考えもんだぜ。
如月:何だそれ?
篠塚:聞いてないのか?
如月:銀行がすべて売ってくれるから、決着をついたんじゃないのか?
篠塚:まあそうだと思ってたんだけど、なんだかまだごそごそやってるみたいで、若さん、毎日出かけてるんだろう……
如月:ほかの仕事だと言ってたが……
篠塚:そうか、じゃ、気にすんな。俺の聞いたこともあやふやだしな。
如月:あ。
篠塚:ラーメン、食って来るか。
如月:いや、ちょっと寄っただけだ。また来るよ。
篠塚:そうか、またな。End of Track 03
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2009-12-16
「ただ一人の男」Track 02听写 - [听碟报告]
Track 02
篠塚:いらっしゃいー。
如月:篠塚、久しぶり。
(ラーメン屋を営む篠塚は俺が唯一親しくしている元尾崎組の構成員で、組が解散した時に、不動産ではなく、食べ物屋台やりたくと店を開いた男だ)
篠塚:よう、久しぶりだなあ、元気してたか。
如月:あ。な、篠塚、聞きたいことがあるんだけど。
篠塚:何だ。
如月:尾崎の仕事について、何か聞いてないか。
篠塚:若さんのこと?
如月:ここのところ、様子が変なんだ。忙しいみたいで、家にほとんど帰って来ないし、いない時でも、何度も電話がかかってくる。時々考え込んでる時もあって、気になってるんだ。らしくないから。
篠塚:電話、むっ、もしかして、そいつは高田のことかなあ。
如月:高田?
篠塚:あ。二つ先の駅の辺りを占めてる新興勢力の組さ。
如月:尾崎は足を洗ったんだろう。
篠塚:そりゃね。解散届きもきっちりさつに出したし、清廉潔白ってのもんだ。だが、そうは思ってくれない連中もいる。
如月:宮川さんとか。
篠塚:あのおっさんか、あの人刑事時代に丸暴だったって話だからなあ。気に入らないんだろう。
如月:ふんっ……で、高田ってのはどうしたんだ。
篠塚:町のほづれんとこにある工場を知ってるか。
如月:あ、もう倉庫しか残ってない元工場だろう。あそこがどうかしたのか。
篠塚:都内であれだけ空いてる土地ってのが、狙い目なんだよ。高田の連中はあの土地にマンション一つを建てて、まるもんきょう狙ってる。
如月:あそこは誰の持ち物なんだ。
篠塚:差し押さえで尾崎が権利を持ってるが、銀行にも抵当権は残ってる。そんで、ほかにも細かい借金があって、それを高田がまとめにかかってるんだ。
如月:なんとしてでも、食い込もうってわけか。
篠塚:まあ、まとめに考えりゃ、一番権利持ってる銀行が何とかするだろう。良好に販売計画も進めてるみたいだし。
如月:危なくはない。
篠塚:それはどうかなあ。あいつらにしたみりゃ足を洗って腑抜けになった尾崎まで丸ごと食っちまえっていってことだろう。だとしたら危なくないとは言えないなあ。
如月:大変だな。
篠塚:いざとなったら、如月はバーのマスターのとこでも行けいいさ。おれんのとこでもいいんだろう、俺も尾崎の一員だったからなあ。
如月:俺が今の話を怖がると思ってる。
篠塚:違うのかい。
如月:怖くはないよ。まあ、なるようになるだろう。
篠塚:肝が据わってんなあ。見掛けは優男なのに。
如月:優男?
篠塚:おうっ、みんな言ってるよ、如月は顔がいいから、若さんが手放さないんだって。
如月:もちろん、否定はしてくれるんだろうが。
篠塚:おっ、若さんがなんぱしにくくなるからね。
如月:そっちが理由かい。篠塚、俺がここで聞いたことを尾崎には言うなよ。面倒だから。
篠塚:分かってるって。若さんには心配かけねえよ。如月:はい。
尾崎:如月か、俺だ。
如月:何だ、どうした。
尾崎:お前、そろそろ上がりだろう。悪いが、迎えに来てくれないか。
如月:いいけど、今どこにいるんだよ。
尾崎:駅の北にあるメープルってレストランだ。ちょっと飲みすぎてな。
如月:時間かかるぞ。
尾崎:あ、いいぞ。何時でもいい、ここに座って待ってる。
如月:待ってるって、もうそこ今真っ黒だろう。路上で待つつもりか。
尾崎:あ、気分がいいんだ。
如月:馬鹿か、お前は。
尾崎:駄目ならほかのやつを呼ぶが……
如月:ふっ、いいぞ、今から行く。寝ないで待ってるよ。
尾崎:おう、頼むな。如月:尾崎、尾崎?いないのか。せっかく水を買ってきてたのに、どこにいたんだ。尾崎、おざ……(あ、どうして、ここにそれがあるんだ。なぜ、尾崎がそれになってしまっているんだ)あっ、あっ……(血だまりの中で倒れている尾崎、あの時と同じだ。)尾崎……(彼のスイッチが切れるのだ。今まで、俺は暖めてくれたものがどんどんと冷えていく)
篠塚:若さん!くそー。
如月:(俺の名を呼んでいた人間が、ものに変わっていく。彼も同じなんだ。そうだ、みんな最後には動かないものになって)
篠塚:如月!何ぼうっと突っ立ってんだよ。おい!
如月:あっ……(俺を抱く腕も、からかう声も、表情が変わる顔も、これですべて終わりなんだ)
篠塚:若さん、しっかり、若さん!
如月:(もう動かない。ほら、誰が触れても、彼はぴくりと動かないじゃないか。もう尾崎は彼じゃない、それになってしまった)
尾崎:放せ……
篠塚:若さん!
尾崎:如月……大丈夫だ。
如月:どうして?
尾崎:こっちへ……
如月:どうして?(お前はまた動き出すんだ)
尾崎:大丈夫だ。
如月:(スイッチの切れた体はただ冷たくなる、別れるなんだろう。俺が最後に触れた二人はそうだったのに)
尾崎:如月……
如月:(なのに、どうして、どうしてお前の手は暖かいんだ)
尾崎:大丈夫だ、如月。
如月:尾……崎……
尾崎:ああ。
如月:(あっ、帰ってくる。暖かいものが戻ってくる。彼の体から流れる血が俺の冷えた体を温める)あっ、あっ、あっ、あー……
尾崎:如月!
如月:(叫びだす自分の口を彼の手が塞いでまでは覚えていた、だが、そこから先は何も分からない、ただ……)
尾崎:如月!
如月:(意識が遠く行っていく、尾崎が自分を呼ぶ声だけがはっきりと響いていた)篠塚:もう、起きていいんですか。
尾崎:あ。それより如月は?
篠塚:まだ寝てます。あの……若さん、如月のことを聞いてもいいですか。
尾崎:如月は子供のころに両親が強盗に殺されたんだ。
篠塚:あっ?
尾崎:突っ立ってってのは見殺しにしようとしたわけじゃない。その時のことを思い出したんだろう。
篠塚:あっ。
尾崎:親に隠された場所から出てくると、血の海に倒れた両親の遺体があったそうだ。
篠塚:もろに見たんですか。
尾崎:痙攣している時からなあ。
篠塚:いくつの時?
尾崎:年は聞かなかったが、小さいころだと言ってた。一晩そこに一緒にいたらしい。
篠塚:それで、悲鳴を上げたんですか。
尾崎:思い出したんだろう。
篠塚:だから、若さんはあいつに大丈夫って言ったんですね。やっぱり二人はできてたのかと思いましたよ。瀕死の状態でこいつに向かって言うから。
尾崎:瀕死でもないさ。酒が入ってたから、出血は多かったが傷はたいしたことない。
篠塚:そんなことはないですよ。若さんからの連絡で俺が駆けつけなかったら、突っ立ってる如月の前であんたも動かなくなるところだった。
尾崎:そんなことねえよ。
篠塚:こいつを手元に置いたのはそのせいだったんですね。遭われたと思ったんでしょ。あんたも子供のごろに組員が死んだショックで一時腐りこんだって聞いてますよ。
尾崎:小学校に上がる前の話を持ち出すな。それに、俺は一晩立ったらけろってしてたよ。
篠塚:だからこそ、傷ついたこいつが可哀そうだったんじゃないんですか。
尾崎:寝たまま泣いてる。
篠塚:あっ?
尾崎:如月だ。大丈夫だ、ここにいる。俺はここにいる。お前もここにいる。
如月:(尾崎の声が聞こえる。この男だけがもう一度動き出した。彼だけが俺のところへ帰ってきた。凍りついたやがてすべて消えるはずの世界の中で、尾崎だけが生きていた。)むっ……むっ……
尾崎:起きたか?
如月:尾崎……
尾崎:お前丸一日眠っていたぞ。大丈夫なのか。
如月:いや、お前こそ、怪我は……
尾崎:いろいろあったがなあ、もう大丈夫だ。銀行との手打ちが終わったんだ。
如月:そうか……(どうしてだろう、この男が怖い)
尾崎:銀行は工場の土を差し押さえ、うちの不動産屋で管理する。高田が悪だが馬鹿じゃない、大手銀行と正面きてぶつかるような真似はしないだろう。
如月:お前を刺したのは……
尾崎:高田のやつがあそこで手打ちをするってのはどっかから聞きつけて、憂さ晴らしに来たんだろう。
如月:そうか……
尾崎:すまなかったな。嫌なことを思い出させたようで……
如月:いや。(暖かい手、こんな振りえは今までだあったのに緊張する)
尾崎:もう少し休め、元気になったら、二三日はまた飯の世話を頼む。
如月:(両親が死んだ時、涙も悲しい気持ちも何もかもすべてを凍らせてしまったはずなのに、尾崎が帰ってきたと思った時、突厥されていたそれらが、溶け出して溢れた。心配、不安、今まで誰にも抱いたことのない感情が、彼にだけ向けられている)くそー……どうすればいい。尾崎のことで、頭がいっぱいだ……(怖かった、溢れる感情が、彼に向かうことが、尾崎に引かれてしまいそうな自分が、怖かった)End of Track 02
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2009-12-13
「Steal」桐生崇征篇攻略+感想 - [游戏心得]
盼望已久的STEAL终于在短期跳票后推出了,由于不怎么萌学园设定,所以事先料到这个游戏对我来说应该不会是个超越《眼镜》之作,可是却怎么也没有想到竟然是个如此让人提不起兴趣的无奈之物。开场的OP所有人华丽丽的登场过后,可攻略的8个人物中只有一个让我有点兴趣——桐生崇征,一个目光阴险的眼镜男,这家伙明摆着一定是具有鬼畜特质(攻略结局证明我是何等的独具慧眼);另外勉强算有点兴趣的还有另一个眼镜男(二阶堂亮一)和一个貌似很拽的红毛(ディオ)。嘛,我就是对眼镜情有独钟,另外高大威猛个性型的帅哥也很吸引我的眼球。
首先攻略了桐生,失望的发现鬼畜的level和眼镜简直不可同日而语。攻略过程中,对其它人物稍微有点了解:眼镜男2号二阶堂亮一就是个邻家大哥型和罗嗦奶爸型的集合体,没啥太大兴趣;红毛ディオ确实挺拽,决定攻略看看到底啥样;长发男中川真鸟并不像表面给人感觉的那样柔弱,反倒有点小小的腹黑,可以考虑攻略一下;绿川光主役的藤ヶ谷慧是主角青梅竹马的玩伴,貌似是个别扭男,没啥太大兴趣,实在没事干的时候也可以考虑攻略一下;对小孩儿一样纯真的楠本兴完全没有任何感觉;剩下两个喋喋不休的正太(上里ヒロ+土屋太阳)可以无视、直接PASS。
目前只通了桐生线的所有结局,暂时提不起兴趣继续下一个。对这个幼齿的主角完全无爱,但是,对于追求CG完美度的我来说,最后一定是所有人物都能攻略的,完全无爱的人物剧情通常是做日语学习处理。那么,牢骚到此为止,开始攻略感想的正篇吧。先推出桐生崇征篇,其它的待续(如果有时间的话)。游戏主线:
主角小林明日叶的父亲是从事艺术品赏鉴工作的专家,经常辗转奔波于世界各国。明日叶小学毕业后,随家人一起移居美国,但是在美国却多次险遭绑架,在父亲的推荐下,明日叶回到日本,怀着必须变强的坚定信心,转学至魁堂学园美学行动科学习。美学行动科其实是由专业偷盗组织マニュスピカ创建的专门培养盗窃技术的特殊专业,所有学员都至少拥有一项一技之长。故事就从这里开始了……游戏人物:


小林明日叶:(阿部敦)
魁堂学园二年生。主角。
特技:真实之眼(true eyes)
上里ヒロ:(立花慎之介)
魁堂学园一年生。喜好变装。
特技:偷窃
土屋太阳:(笹田贵之)
魁堂学园一年生。精力四射。
特技:驾驶
ディオ・T・ロッティ(三浦祥朗)
魁堂学园二年生。双亲有黑社会背景。天性很拽。
特技:欺诈师
藤ヶ谷慧:(绿川光)
魁堂学园二年生。明日叶青梅竹马的玩伴。沉默寡言。
特技:格斗
桐生崇征:(神谷浩史)
魁堂学园三年生。性情冷淡、喜好施虐。
特技:黑客
二阶堂亮一:(前野智昭)
魁堂学园三年生。平易近人、和蔼可亲、对美有偏执的热情。
特技:临战指挥
中川真鸟:(寺岛拓笃)
魁堂学园三年生。优雅静谧、偶尔腹黑。
特技:开锁
楠本兴:(堀江一真)
魁堂学园三年生。天性纯真、喜好睡觉。
特技:赝品制作
魁堂静一郎:(三宅淳一)
魁堂学园理事长,34歳。清秀俊逸、精明冷静。桐生崇征线end:
end11快楽の烙印
明日叶多次被桐生崇征屈辱的玩弄于掌股,无法面对冷酷的桐生崇征却又莫名其妙的想靠近他。最后终于斩断对桐生崇征的异样感觉选择一直关心他的队长二阶堂亮一做组队的伙伴,但是却被桐生崇征告知,二阶堂亮一表面的和蔼可亲其实只是为了便于监视队员而故作的嘴脸。明日叶迷惑了,无法判断真伪,唯一清楚了解的事情就是自己的肉体对桐生崇征的渴望……
end12ありのままの
明日叶一直受到桐生崇征的轻视,多次被桐生崇征屈辱的玩弄于掌股,既害怕他却又莫名其妙的想靠近他。在任务中,明日叶发现桐生崇征其实是个警察,他的兴趣是把罪犯逼迫到穷途末路之时再抓捕他们,他一直在抓捕偷盗组织マニュスピカ的一个前任人物,并终于找到了一个绝好的机会。为了向桐生崇征证明自己的能力,明日叶跟在桐生崇征的后面以自己的方式帮助他,在炸药爆炸的危机关头,潜藏在暗处的桐生崇征跳出来用身体保护了明日叶,两人终于心意相通……
end13終わりのないゲーム
明日叶始终不能理解自己对桐生崇征的感觉,始终觉得自己对于他来说只是一个无能的弱者。桐生崇征终于成功的抓捕了偷盗组织マニュスピカ的前任人物,离开日本去往国际刑警组织赴任。多年后,明日叶成为マニュスピカ的一员,某次在国际刑警总部所在地执行任务时竟然遇到桐生崇征。桐生崇征放走了明日叶,两人之间那说不清的关系仿佛就是一场没有完结的游戏……
end14囚われ
(最容易出现的监禁结局)明日叶多次被桐生崇征屈辱的玩弄于掌股,无法面对冷酷的桐生崇征却又莫名其妙的想靠近他。明日叶始终不能理解自己对桐生崇征的感觉,唯一清楚了解的事情就是自己的肉体对桐生崇征的渴望……桐生崇征线吐槽:
桐生的鬼畜潜质实在是很高,配合警察这个身份背景,更加衬托了他的鬼畜天赋。可惜和眼镜的鬼畜level还是无法相提并论,也许是受学园设定的限制吧,实在可惜呀。主角为嘛是个伪青年的正太?!为嘛呀?!字母戏时发出的声音都被我click了,为嘛明日叶就不能是个大好青年呢(愤慨的握拳)?如果因为学园设定导致明日叶只能是个正太的话,为嘛不设计点令人激动的支线剧情呢,如果要设计的话,可以发挥的题材和人物那可是一抓一大把,比如呢:
(1)桐生X二阶堂:虽然没有副队长这个位置,不过桐生摆明了就是副队长,而且是能左右队长决策的副队长。鬼畜副队X平易近人正队,这样的组合不是很合乎民意、顺应潮流、很好很强大吗?(嘛,走ディオ线时发现原来还真有副队这个位置,而且不是桐生,竟然是ディオ。这是不是也能侧面说明桐生鬼畜的气势太盛,以至于让人有种他可以随意支配别人的感觉呢)
(2)桐生X理事长:理事长34岁,清秀俊逸、精明强干,绝对是年下鬼畜扑倒的不二人选。而且警察X盗窃组织头目这个配对也是超级登对、超级萌点的呀。理事长办公室绝对是不可告人的秘密萌生的地方。
(3)桐生X中川:中川一直称呼桐生崇征为崇,而且经常在桐生对别人冷言冷语的时候出来打圆场,最为关键的是,桐生这个BT的鬼畜对中川的话却从来没有过异议,两人也经常一起出现。这难道不说明什么问题吗?
上述假想配对,完全可以在明日叶与其他无关人物的路线中穿插进去的呀。想想看,明日叶在矛盾中发展感情的时候,(男男感情的发展必然是个矛盾的过程,而且必然是经历一番痛苦煎熬才终于豁然开朗:原来对方是个特别的存在,除了对方别的男人不行)偶然间还发现了学长们的秘密,而且在受君学长的帮助下终于认清了自己的真心,(受帮受,经验传授的更快更好更直接)这不也是挺好的安排嘛。如果在和正太发展感情的主线上安排这么个支线情节,像我这样对正太避之唯恐不及的群体定然会两眼发光的玩这条线的。
桐生对明日叶的感情真的不是因为找到合适的M了吗?他从始至终称呼明日叶为小林,总给人一种違和感,另外,两人之间感情的发展有点突兀, 桐生为什么会喜欢小林让人有点茫然,总是觉得他们之间的感情就是一个鬼畜的S终于找到了一个非常合适的有天分的M……
神谷娘娘这次翻身,而且还鬼畜了一把,虽然多数地方鬼畜不足,不过个别句子还是蛮有感觉,尤其是低语的时候。如果明日叶的声优能换个稍微成熟点的嗓音我会十分愉快的接受,看看人家N+的sweet pool,同样是学园设定,蓉司和哲雄成功的深入人心,再挑剔的人都深深的爱上了他们。当然人设也是一方面的因素,如果能换成稍微成熟些的造型,把脸弄长点就更好了。嘛,说来说去,其实还是因为——我不喜欢正太。桐生崇征线攻略:
これ以上気にしない
慧は変わってしまった
たいしたことはなさそう
ディオに同意する
興が気になるから
……
信用できない
今回は様子を見たい
寮に帰ろう
入っていけない雰囲気だ
……
自分の仕事から始める
ヒヤヒヤしてしまう
みんなを待つ
黙って聞いている
きっと先に帰ったんだろう
思わず言い返す
気のせいかもしれない
無理に手伝いはしない
俺は自分ができることをやるだけ
睨みつける
不謹慎じゃないか?
桐生崇征
料理をまず褒める
自分と同じだとは限らない
桐生さんは何を知ってる?
触れる
援護班に参加する
俺を信じてくれてるんだ
この場に残る
桐生の手伝い
だけど、あいつらと同じじゃない
ミッションが優先
無線ですませる
自分も行くと名乗り出る(save)
end11
二階堂亮一
二階堂亮一
この間のミッションのことで……(end11)
end12,13,14
桐生崇征
認める
求める
桐生崇征
桐生さんはそんなことしない
話してみる(save)
俺は桐生さんを信じる(end12)/……わからない(end13,14)
そんなの悔しすぎる(end12)/弱い人間だ(end13,14)
桐生さんを追いかける(end12,end13)/おとなしく待っている(end14)
眼鏡、はずしてくださいorなんでもない(end12) -
2009-12-11
「ただ一人の男」Track 01听写 - [听碟报告]
原作:火崎勇
Cast:
如月:石川英郎
尾崎:森川智之
篠塚:三宅健太Track 01
父親:巳波、いいか、ここから絶対に動くな。声も出すんじゃないぞ。
如月:あ。
父親:母さん、警察に電話しろ。
母親:はい。あーーーーー
父親:あっ!
母親:あっ、いや、あっ、あ……
如月:父さん、父さん、母さん、とうさ……あっ!
如月:(そこにそれはあった。もうほとんど動かない、肉の塊。不思議と怖くはなかった。ただ、視界がどんどん暗く、体が冷えていくのだけは覚えていた。)如月:あっ……ふっ……くそ、またあの夢か。体が冷え来てる、寒い。尾崎、悪いけど……
女:あっ!
如月:あっ!
尾崎:どうした、如月。
如月:いや、悪い、邪魔した。
尾崎:如月……如月:ふっ、仕方ない、酒でも飲むか。ぜんぜん駄目だ。
尾崎:如月!
如月:尾崎。
尾崎:またあの夢を見たのか。
如月:あ、まあ。
尾崎:こい、温めてやる。
如月:あ。……(すまん、優しい男だ。俺のほしいのはお前じゃない、単にこの体を温めるものだけなのに)
尾崎:大丈夫だ。俺はここにいるし、お前もここにいる。
如月:あ。
尾崎:大丈夫だ。
如月:(それが分かっていても、お前はこうして、人を抱いてくる。)
如月:ふっっっ……彼女、返したのか。
尾崎:寝てるだろう。そうじゃなければシャワーでも浴びてるぜ。
如月:ふっ、そのうち背中から刺されるぞ。
尾崎:そういう心配のない相手しか選んでない。
如月:ほんとに、誰でもいいんだな。
尾崎:そうじゃない。その気になった相手としかしないさ。
如月:どうかな、俺の見てる限りでは誰でもいいように見える。
尾崎:それは気のせいだ。一度は抱いてみたいと思った相手しか誘わない。
如月:一度は、ね。
尾崎:あ。
如月:ありがとう、もういい、落ち着いた。
尾崎:ほんとに?
如月:あ。ほら、手の振るえも止まった。そろそろ店に出る支度をしなきりゃ。
尾崎:残念だな。もう少し抱いていたかったのに。
如月:いつまでも抱きついていると、はらませるそうで怖いよ。(俺と尾崎の間には、性行為も、恋愛感情もない。ただ、尾崎は優しいだけで、俺は動き続けるために、尾崎の優しさに甘えている、それだけなのだ)(尾崎と俺が知り合ったのは、二年前、偶然勤めたバーの常連客に尾崎がいたのだ。彼の噂をすぐに知ったが、俺には関係のないことだったから、ひょうひょうと彼に酒を出し続けた。媚もせず、怯えもせず。それが彼の気に入ったのか、少しずつ言葉を交わすようになり、友人のようにふるまのようになるまで、たいした時間はかからなかった)
男客:じゃ、如月さんは本当に尾崎さんとできてるわけじゃないんですか。
如月:ないですね。
男客:でも、一緒に暮らしてるんでしょ。
如月:同居はしてますよ。でも、ベッドは別です。
男客:尾崎さんが三年前に組をたたんだ、元尾崎組の一人息子でも。
如月:関係ないですね。
男客:でも……
宮川:はっはっはっはっは……
如月:宮川さん、何ですか。
宮川:いやいや、ハイボールをもう一杯頼む。
如月:かしこまりました。
(そんな関係が変わったのは去年のクリスマス。珍しく酔って現れた彼が、その夜、一緒に過ごすはずだった女に逃げられたことを愚痴り、さらに珍しくカウンターで酔いつぶれた彼を送り届けた時だった。尾崎の部屋で、彼をベッドに転がした俺はついリビングのソファに座り、眠り込んでしまった。そしてあの夢を見た)
如月:むん……むん……
尾崎:如月!おい、如月!
如月:むん……ふっふっ……
尾崎:大丈夫か、しっかりしろ。
如月:尾崎?
尾崎:そうだ。目を開けろ。声は出せるか。待ってろ、今救急車を呼んでやるから。
如月:待って、そんなもん呼ばなくていい。つい眠っただけだ。
尾崎:動くな。体が冷えきてるが、一体いつから具合が悪かったんだ。
如月:いいんだ。ほんとになんでもない、いつものことだ。
尾崎:いつものこと?
如月:悪い夢を見るといつもこうなった。
尾崎:どういうことだ。重病か?
如月:そうじゃない、ちょっとしたとらまさ。
尾崎:とらま?何でそんなもんで体が冷える。どこかが悪いんだろう。
如月:本当に悪いところはないんだ。ただ……
尾崎:ただ?
如月:両親が死んだ時のことを思い出しただけだ。
尾崎:……
如月:夢で見るんだよ。その時のこと。そうすると目が覚めた時には体が冷たくなってる。医者にも見たもらったが、別に病気ってほどじゃないんだ。
尾崎:詳しく話してみろ。
如月:話そうとのことじゃ……
尾崎:いいから、言え!
如月:子供のころ、押し込み強盗に両親を殺されたんだ。侵入者を刺した父親が物置に隠してくれたお掛けで俺は助かったんだが、両親は駄目だった。物置から出たら、ついさっきまで、自分が優しい親だったものは血だまにのなかで痙攣していた。見ているうちにそれは動かないものになってしまった。その時から俺は人がものにしか見えないんだ。
尾崎:もの……
如月:人間もスイッチが切れれば、動かないただの物体になる。だから、あの時のことを夢に見ると、自分もスイッチが切れて、体が冷えてしまう。それだけのことさ。
尾崎:それだけって……
如月:それに、いつも見るってわけじゃない、ほんの時々だ。
尾崎:治療はしたのか。
如月:したよ。長くカウンシルの世話にもなった。だが、どうにもならないことだ。忘れてくれ。
尾崎:忘れられるか!
如月:尾崎?
尾崎:知った以上、放って置けるか。これでお前に何かあったら、俺は一生自分を許さないだろう。どうしてあの時にもっと強く言わなかったのかってな。
如月:ふっ……
尾崎:何が可笑しい?
如月:いや、尾崎はもっとドライなやつだと思ってた。
尾崎:俺は親父に似てるんだ。感覚は、昭和一桁だ。
如月:自分で言うか。
尾崎:誰も俺にはそんなことを言わんさ。怖いからな。
如月:ほう……そう。
尾崎:お前は変わった男だなあ。
如月:ありがとう。もうあたばったよ、離しくれ。
尾崎:あんなに冷たかったのに?
如月:こんなに早く体温が戻るのは始めてだ。尾崎の体温が高いのかもな。
尾崎:いつもはどうやって戻してる。
如月:シャワーを浴びたり、酒を飲んだり、それでも三十分くらいはかかるから。
尾崎:俺が抱いたからか?
如月:分からないが、人に抱かれたせいであっても、尾崎だからじゃないよ。尾崎のことはイエスっだと思ってる、でも恋愛感情も含めて特別な気持ちを抱いてない。俺は変わってしまったから。
尾崎:どういう意味だ。
如月:人がものにしか見えなくなったって言っただろう、だから、俺にはね、生きてるものは全部人形としか思えないんだ。人形気に入ることはあっても、愛したりはしない。
尾崎:如月……
如月:そういうの、嫌だろう。お前にとってのセックスは快楽のためだろうが、そこに気持ちがないわけじゃない、でも、俺には気持ちがない。もう帰るよ。今日ありがとう。
尾崎:お前、今一人住めなんだろう。
如月:え?あ。
尾崎:じゃ、明日からここへ住め。
如月:あ?
尾崎:家賃はいらん、食品もいらん。
如月:何馬鹿なことを。
尾崎:知らなかったら関係ないが、俺は知った。お前が凍えた時は俺がなんとかしてやる。
如月:俺はお前を好きじゃないし、人間とも思ってないんだぞ。
尾崎:構わんさ。俺がお前を気に入ってって、人間だと思ってるから。
如月:セックスの相手をさせたいのか。
尾崎:いや。別に。相手に不自由をしたことはない。その気のない人間と無理にしたいとは思わないさ。
如月:尾崎……
尾崎:そうしろ。
(お前のためにじゃなく、自分のためにそばにいるか。彼ならば、変わらない俺を哀れみながら疲れて言った今までの人たちとは違うかもしれない。まあ、もし、わずらしくなれば、出て行けばいいか)
如月:ふつ、分かったよ。ありがたく世話になる。(一緒に暮らしてたからも、何度かあの夢を見たが、彼がそのたびに俺を抱きしめて暖かさをくれた。けれど、それ以外で気を使われることはなく、それがとても楽だったので、未だ同居を続いてる。)
男客:でも、尾崎さんのこと、ハンサムだと思うでしょ。
如月:ハンサムですね。顔立ちはとどろってるし、野性的だし、ぴっちりと上げた前髪が起きた時に崩れているのはセクシーだと思いますよ。
男客:やっぱり。
如月:だから、それをご自分の目で確かめたらどうです。
男客:え?
如月:いらっしゃい、尾崎さん、こちらの席へどうぞ。
尾崎:あ。今俺のことを褒めてたか。
如月:こちらのお客様が、お暇のようですから、ご一緒なさっては?
尾崎:暇なのか?
男客:えっ、あっ、はい。
尾崎:前にここで何度か会ったなあ。
男客:覚えたんですか。
尾崎:あ。可愛い子だと思ってた。
男客:そんな、でも、俺なんかに声をかけると、如月さんが気にするんじゃありません。
尾崎:如月が?どうして?
如月:俺が尾崎さんの恋人か何かだと思っていらっしゃるようですよ。
尾崎:はっ、はっはっはっはっはっはっ、それは如月が可哀そうだ、またバージンなのに。
如月:尾崎さん……
尾崎:こいつの分は俺につけとけ。さ、遊びに行くか?
男客:はい。
如月:ふっ、やれやれ。
宮川:はっはっはっはっはっはっ……
如月:何がおかしいんですか。
宮川:焼かないの。
如月:焼きませんよ。恋人じゃないですから。
宮川:俺は絶対二人はできてると思ってんだけどなあ。
如月:できてませんって。
宮川:だが、あの尾崎はお前さんをずっと部屋に置いとくのにはわけがあるんだろう。
如月:わけは、二つですね。一つは伺いのバーテンが欲しがったこと。もう一つは俺は天涯孤独だから、遭われんってですよ。
宮川:お前さん、家族いないのかい。
如月:事故で、昔ね。その話をしたら、可哀そうだって言って、置いてくれてるんです。
宮川:へーっ、相変わらずの偽善者ぶりだあ。
如月:その偽善で、自分が楽できるなら、俺は偽善に頼りますよ。
宮川:それなら、お前さっさと出ていったほうがいいぞ。確かに尾崎組はもうない、その後、あいつは不動産屋を立ち上げて、今はただの社長だ。
如月:え、知ってますよ。
宮川:しかしな、どんなに堅気のふりをしたって所詮あいつは裏の人間だ。そんなやつのそばにいたら、お前さんが被害を受けることに会う。その前に、さっさと離れたほうがいい。
如月:被害ね。
(宮川さんだって、いつかは死ぬ、止まる時は来る。尾崎のそばにいても、離れても、自分だって、止まる時は止まる。それならば、楽な生活ができて、温めてもらえる人がそばにいるほうがいい。それだけなのに、皆俺たちを誤解していた)End of Track 01